副業先の社会保険に強制加入させられそうだったF君は、結局入らない決断をしました。
僕はサラリーマン時代、副業先でも社会保険に加入してガンガン働いていた派なのですが、手取り収入を減らしたくないっていうF君の気持ちはすごくわかりますし、その判断を尊重しています。
ちなみにF君が本業で勤めている会社は副業をむしろ推奨しているらしいのですが、この時代にあってもまだまだ副業禁止の会社も数多く存在します(公務員さんも副業できませんしね)。
これから副業をって考えてらっしゃる方の中で、本業の勤め先が副業禁止の場合は気をつけてくださいね。
社会保険料は、本業(会社員)と副業(アルバイト・パート)の収入を合算した金額をもとに計算されます。
副業を始めて加入要件を満たした場合、本業のお勤め先にも、「健康保険・厚生年金保険資格取得確認書」「二以上事業所勤務被保険者決定及び標準報酬決定通知書」という長ったらしい名前の通知書が送付されるため、会社にばれてしまう可能性は極めて高いです。
さて僕が社会保険に加入していたのにはもう一つの理由があって、その方がシフトに優先されやすいだろうなって思ったからなんです。
もし自分が雇う側だった場合、社保に入りたくないから週20時間しか働かないって人と、社保に加入してでも30時間でも40時間でも働いてくれる人とだったら、どちらを採用したりシフトを優先したりするかなって考えたんです。
まぁもし僕が、仕事ができる人間であれば、週10時間であろうと優遇されていたと思いますけどね。笑
幸い僕が選んだ副業先は大手企業でかなり忙しい職場だったので、当時いくらでも稼ぐ必要があった僕には、ありがたいこと希望するだけシフトに入れてもらえました。
ただこれは余談になりますが、中小・零細の会社さんでは逆の場合もありえるので注意が必要です。
前回【副業で社会保険に加入したら?しなかったら?】でもお話しましたが、厚生年金保険料と健康保険(協会けんぽ等)の健康保険料は、労働者側と事業者側が原則として折半して支払います。
つまりパートやアルバイトをしている人が社会保険の加入条件を満たし加入を希望した場合、企業側の負担が増えることになります。
以前僕のところに相談に来られたシングルマザーの方は、パート先の(小さな)内職加工会社で社会保険への加入を希望したところ、シフトを大幅に削られてしまったそうです。
加入要件を満たせないように出勤時間が短縮された彼女は当然お給料も少なくなり、生活が出来なくなってその職場を辞めざるを得なくなりました。
もっともそのけしからん内職加工会社は、彼女が辞めてすぐに、社長の愛人と噂されていたあるパートさんの大チョンボであっけなく倒産しましたからいい気味ですけどね。
シンママの彼女も、その後大手の会社に正社員として入社することが出来て、今では生き生きと働いてらっしゃるので、みんなにとっていい結果になりました、とさ。笑
で、話を戻してバイト先の社会保険には入るべきかどうかって話ですが、「そりゃあ、人によりますよ」ってのが僕の結論です。
加入・未加入のメリットとデメリットについてはご理解頂けていると思いますので、それを踏まえてあなたご自信にとっての最適解を導いて欲しいと思います。
あくまでひとつの指針として、僕ならどうするかをお伝えすると、中途半端は絶対しません。
加入するなら副業の年収が最低150万円ぐらいになるような働き方をしますし、加入しない選択をした場合は、その範囲内で一番稼げる方法を目指します。
【バイト先の社会保険に入らずに済む年収っていくら?】でも触れた社会保険の加入5要件ですが、ここでお話したとおり、要件1~5をすべて満たすと社会保険に加入しないといけなくなります。
逆に言えば一つでも満たさなければ加入義務はないってことです。
そこで「週に20時間」と「月収88,000」を意識しながら、もっとも自分へのリターンが大きい選択をします。
もっともこれはあくまでF君や僕のように副業としてのお話。
もし親族に扶養されている場合なんかは税金のことも考慮しないと損することがあります。
そういったお話もいずれ機会を作ってきちんとしますね。
では今回はこの辺で。