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モモとゆかいなにゃんこたち ~保護猫支援日誌~

第9回【エピソード 野良猫さつき】

こんにちわ。瑞田モモです。

 

新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出されていた2020年5月のある日、近所の団地に動けなくなっている野良猫がいることに気づきました。

 

当時私はその団地のすぐ近くに住んでいたので、日課の散歩中にたまたま発見したのです。
近所の人の話によると、数日前に車に轢かれたようだとのことでした。

 

その猫は、遠目からでもはっきりわかるぐらい足を引き摺っていて、団地の敷地内にある草の生えているところから動けなくなっている状態でした。

 

近所の人たちは餌や水はあげていましたが、それ以上はどうすることも出来ないでいました。

 

私も動物病院や役所に電話して問い合わせたりもしたのですが、どこも野良猫を助けることは出来ないと断られました。

 

その頃すでに私の家には4匹の保護猫がいてすぐに連れて帰る訳にもいかず、みんなと同じように水や餌を持っていくことしかできませんでした。

 

それからしばらくは様子を見ていたのですが、日中の日差しがどんどん強くなりかけている時期で、暑さも日増しに厳しくなり、どうにかできないものかと毎日考えていました。

 

 

さらに1週間くらい経ったある日、天気予報は午後から雨。

 

あの野良猫のことがどうにも心配になり、いてもたってもいられなくなった私は、とうとうその猫を段ボールに入れて自分の家に連れて帰ってきてしまいました。

 

他の猫達との接触は避けるため、ひとまず箱ごとバルコニーに置いて、“さつき”と名づけました。
でもさつきの様子を見て、なんでもっと早く連れて帰ってこなかったのかって自分を責めました。

 

もう長くないんだってことが、すぐにわかってしまったのです。

 

下半身はすでにまったく動かなくなっており、お腹にはウジ虫が湧いていました。
かろうじて生きているだけの状態でした。
本当にかろうじて…。

 

とりあえずバルコニーに水と餌を用意しました。
さつきは警戒からか最初少し怒っていましたが、やわらかい布を敷いていたので、眠くなったのか寝ている様子でした。

 

しばらくは、生きていたと思います。

 

何回も様子を見に行きました。
水にも、餌にも、少しは口のつけてくれたと思います。

 

雨が強くなってきたころ様子を見に行くと、さつきはすでに虹の橋を渡ってしまった後でした。

 

 

これが野良猫の現状です。

 

私に、何か出来ることはないかと、改めて考えさせられた出来事でした。

 

まだそこに生きている命があるのに、助けることが出来なかったことを本当に悔やみましたし辛かったです。

 

野良猫たちの環境は、本当に厳しいです。

 

雨・風、寒さ・暑さをすべて耐え忍んで、餌も水も自分で確保しないといけないです。
他の猫達との争いもあります。
車に轢かれてしまったり、病気にもなってしまうこともあります。

 

それでも、外にいる猫達は、生きていかないといけません。

 

野良猫をすべて救うことはできません。
でもせめて、これ以上野良猫が増えないようにすることなら出来るんじゃないかって、私は思います。

 

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